酒さ
中高年の人の顔面(特に頬、顎)の皮膚の毛細血管が拡がり、顔が赤くなる慢性の疾患です。症状が1日のうちで変動することがあるのも特徴です。さまざまな薬を組み合わせて治療していきますが、なかなか難治です。最近、酒さの発症にニキビダニという毛穴の中の常在生物の過剰な増殖が大きく関わっていることが意外に多いことが分かってきました。当クリニックでは酒さの患者さんでは皮膚表面の検査でニキビダニの検査をして、もし多数見つかった場合はそれに合わせた外用薬を使って治療していきます。
日常生活上では、強い日差し、辛いもの・アルコール・カフェインなどの過度な摂取、睡眠不足、熱い風呂に長時間入ることなどを避けるようにしましょう。
また、近年口囲皮膚炎の一部が病理組織学的にも酒さと同様であることがわかってきました。まだ学会でもこの病気についてははっきり認識されていないのですが、以前から言われていた、ステロイドや抗炎症薬の副作用として現れる口の周りの皮膚炎のほかにそれらのお薬を使っていないのに同じような症状が現れるのです。毛包虫が関与している場合もあります。脂漏性皮膚炎とにているのと、合併していることもあるのでややこしいですが、ある程度治療は確立しているので対応可能になってきました。