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じんましん

皮膚の一部にかゆみを伴って突然ピンク色の膨らみが出現して、数時間から長くても1日で消退することを繰り返します。 典型的な例では蚊に刺されたような膨らみが多発・融合して、環状、地図状といった形になりますが、じんましんの種類によってはあわ粒大の小さな発疹が散らばったような出方をすることもあります。

特定のものを食べたあとにでる、食物アレルギー性のものは食後30分から数時間で発疹が現れ、1〜2時間で消えていきます。特定のものを食べたあとに再現性をもってじんましんが現れる場合は食物アレルギーが関係していることを疑い、血液検査などをおこなうことも検討します。ほかに、特定のものを食べたあと2〜3時間以内に「運動」することによって誘発される特殊な食物アレルギー性じんましんもあります。しかし、実際にはほとんど(全体の約4分の3)のじんましんは原因のよくわからない「特発性」と分類されるじんましんで、心身の疲労、体調不良、なんらかのウイルス感染が引き金になっているのではないかと考えられます。

じんましんの治療は抗ヒスタミン薬の内服が基本です。クルマの運転をするかどうか、1日のうちどの時間帯に良く出現するか、妊婦さんかどうか等さまざまな要素を勘案して薬を選択していきます。また1種類では効果が不十分なときは量を調整したり別の系統の薬も組み合わせて、発疹の出ない状態に持って行き、それを一定期間持続させてから薬を減らしていきます。日常の注意としては、皮膚を刺激するので熱いお風呂には入らないようにしましょう。また発疹がひろがりますから掻くのは我慢して、かゆいときはタオル等で巻いた保冷剤を当てて患部を冷やしてかゆみを軽減します。ストレスをためず、十分な睡眠を取ることも大事です。また、特発性じんましんの治療が1年を超えた場合治癒まで平均で約6年かかるという報告があります。そのため、体に負担の少ない安全な抗ヒスタミンを服用しながら根気よく治るのを待つことが必要です。

なお、じんましんのような皮膚が膨らんだ発疹に加え、全身が赤くなり、気分不良、嘔吐、呼吸困難が生じた場合は、アナフィラキシーという重篤な状態に発展している可能性があります。そのようなときは夜間でも救急病院を受診することをためらってはいけません。

 

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